のどかな山村に息づく美しき水の流れ、南相木川流域の滝めぐり。信州南相木「お三甕の滝」「立岩滝」「犬ころの滝」

群馬県と境を接する南相木村は東西に長く、県境付近を源に豊かな原生林をくぐり抜けてきた三川と栗生川が東から西に流れています。二つの川は役場付近で南相木川となり、千曲川に注ぎます。流れはどこも急で、見ごたえのある滝が点在しています。

南相木川の下流から順にまずは「お三甕の滝」です。諏訪神社脇の急な遊歩道を下ること5分で見えてきます。上ん淵、中ん淵、下ん淵の3段からなり、中ん淵が高さ16mで最大で甕の形を深い滝壷に向かって落下する水の帯を、岩壁にくりぬいた遊歩道のトンネルから眺めるという粋な趣向です。20mほどのトンネルは、中ほど左にぽっかり穴があいていてそこから正面に見えます。ほの暗い中から眺める色鮮やかな木々の緑と滝とのコントラストがことのほか美しく、映画のワンシーンのように幻想的な存在に映っています。

絵のような風景とは裏腹に、この滝には、その昔「おみか」という美しい嫁が姑にうとまれ、ここで突き落とされ滝つぼ深く沈んだという悲しい伝説が残っています。

南相木川上流の三川には村のシンボルともいえる直立した立岩があります。頂上に祠を持つ高さ60mの巨大な大岩で、「立岩滝」はその直下にあり、両側に樹々が迫るV字に切り立った谷底は真夏でもひんやりしています。高さ5mほどでさほど大きくはないが、渓谷らしさが感じられ、谷底地形がよくわかります。

さらに三川上流には、日帰り入浴施設「南相木温泉 滝見の湯」の脇に「犬ころの滝」別名「ワンちゃんの滝」があります。このユニークな名前は、その昔、悪さをする山犬に困り果てた村人がここに犬を追い落としたことから付けられたといいます。道路脇に階段があり、下りて間近に見ることができます。ゴツゴツとした真っ黒な岩肌をなめるように水流がほとばしっています。